マンションはどうして上の方が階段みたくなるの?「建築基準法」が関係してました!

2022.06.13

皆様は街中を歩いていて、「マンションが上の階に行くほど階段のようになっているのを見かけたことがありますでしょうか?結構高さがあるマンションなどがこのような形状になっています。しかし、実際どうしてこのような形になってしまうのか、不思議に思ったことがありませんか?そこには、国が定める法律で「建築基準法」というのが深く関係しているんです。そこで今回は、上層階が階段のようになる理由である「斜線制限」について説明させて頂こうかと思います。

斜線制限ってなに?

斜線制限とは、建物を建築するにあたり最低限守らなければならないルールが定められている「建築基準法」がありまして、その多くのルールの中にある1つが「斜線制限」です。

斜線制限は3つに分かれており、「道路斜線制限」「隣地斜線制限」「北側斜線制限」があります。それぞれに目的や高さ、適用する地域などが細かく分かれています。

道路斜線制限の内容

この制限(建築基準法第56条第1項)の目的は、道路面の陽当たりや通風を確保するため、建築物が接する道路の幅や建物の高さなどを定めているものです。

敷地が接している前面道路の反対側の境界線から、適用される範囲(20m~35m)と斜線の角度が決められており、建築物を建てる場合には、この一定の斜線勾配の内側に収まるように建てなければいけません。この「道路斜線規制」は、「都市計画法」という法律で定められている全ての用途地域と、用途地域の指定のない区域で適用されて、その用途地域や容積率の限度によって数値が変わってきます。

また、この規制には道路の状況や道路を挟んで反対側に公園や川があると、規制が緩和されることもあります。

隣地斜線制限の内容

この制限(建築基準法第56条第2項)の目的は、隣地の建物と一定の距離を保つことで、陽当たりや通風などを確保しようというもので、建物の各部分の高さなどを定めています。

具体的には、20mまたは31mの基準の高さから、隣地境界線までの長さの1.25倍から2.5倍以下に建物の高さが制限されるというものです。こちらも隣地が川や公園など状況によって緩和されることもあります。

なお、用途地域の「第一種・第二種低層住居専用地域・田園住居専用地域」は、建物の高さが10mまたは12mと高さが制限されておりますので、隣地斜線制限の適用はありません。

北側斜線制限の内容

この制限(建築基準法第56条第3項)の目的は、敷地の南側にある建物と一定の距離を保つことで、北側に位置する建物の陽当たりや通風などを確保しようというもので、建物の各部分の高さなどを定めています。

この制限は、北側隣地境界線上に一定の高さをとり(5mまたは10m)、そこから引いた斜線勾配の範囲内に収まるように建物を建てなければなりません。また、こちらも隣地の状況によって緩和されることもあります。

なお、北側斜線制限は用途地域の「第一種・第二種低層住居専用地域」「田園住居専用地域「第一種・第二種中高層住居専用地域」が適用対象の地域となります。

日影規制の内容

この規制(建築基準法第56条の2)の目的は、中高層建築物によって近隣の敷地に生じる日影を一定時間に抑えて近隣の陽当たりを確保し、住環境を保護するために定めています。

建築物からできる影が、周辺の土地に一定時間かからないようにすることにより、日照環境を確保するための制限です。これには建築物の高さ制限があります、例えば第一種・第二種低層住居専用地域・田園住居専用地域では軒の高さが7mを超える場合、または、地階を除く階数が3以上の場合が規制の対象となります。

対象となる用途地域は、第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域・田園住居専用地域・第一種中高層住居専用地域・第二種中高層住居専用地域・第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・近隣商業地域・準工業地域・用途地域の指定のない区域、の11の地域が対象となります。

また、第一種・第二種低層住居専用地域以外の地域は、軒の高さが10mを超える建物と定められています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?こんなにも建物を建てる際には制限や規制があるなんて想像がつかないですよね。この制限で見えない斜線内に建物を納めなきゃいけないため、マンション等は階段のように作っています。この他にも建物を建てる際には建築基準法が定める色々な法律があります。また別の機会に色々と書きたいと思います!

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公開日 2022年06月13日
更新日 2023年04月04日

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