「シックハウス症候群」とは?快適な室内環境を整えるために

2022.02.04

01❘シックハウス症候群の原因は

伝統的な日本の住宅は木造で、ふすまや障子、土の壁で部屋が仕切られ、床に畳が敷かれていて床下や天井も通気のよい構造となっていました。これも日本の高温多湿な気候に適していて、都合の良いつくりでした。

通気のよいという点は換気にも適している側面がありますが、隙間が多いという事なので冷暖房の効きが悪く、光熱費用がかさみます。

現代の住宅は、エネルギーコスト等の観点から家が「高気密」になっております。外気や騒音などの影響も受けにくく、「高気密」な住宅のおかげで快適な生活を過ごすことができています。

ただデメリットもあり、「高気密」の住宅では空気を適宜入れ替えていないと、空気が淀みます。人の呼吸によっても排出される二酸化炭素濃度が上昇したり、ダニ、カビの胞子なども飛散した状態で定着したりと室内の空気環境が悪化して人体にも悪い影響を及ぼします。

その他にも「高気密」の住宅は内装建材や建具やフローリングなどの建材に使用されている接着剤や溶剤、塗料などの化学物質による空気汚染が起こりやすくなっております。

建材やいす、テーブル等の家具や調度品などから放散する化学物質、カビ・ダニなどによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれております。

02❘シックハウス症候群の症状

シックハウス症候群は鼻がつまる訴えが最も多く、その他に頻繁に現れる症状として目がかゆい・目がチカチカする・のどの乾燥する・声がかすれるなどの刺激症状が起こるそうです。

その他にも全身に関わる症状で皮膚の紅斑、じんましん、湿疹などの皮膚・粘膜刺激症状や頭痛、めまい、嘔気・嘔吐などの精神・神経症状がシックハウス症候群の主な症状でその環境を離れるとよくなります。

人によって化学物質などの影響は個人差が大きく、同様の環境にいるのに、全く影響を受けない人もいれば、敏感に反応してしまう人もいます。

シックハウス症候群は住宅の問題となるのであらゆる年齢の方に生じますが、特に20歳未満の若い年齢の有症率が多くなっているエビデンスがあります。

03❘シックハウス症候群の対策

日常生活においてシックハウス症候群にならない為に対策を練っておくことも大切だと思います。

まずは換気をこころがけることです。カビ・ダニ対策には、湿度に気をつけることが重要です。換気不足の場合は湿度が高くなり、カビが繁殖しやすい環境になってしまいます。また、冬などで乾燥している場合は口や鼻の呼吸器系の粘膜が乾燥し、風邪などの感染に対する防御機能が低下してしまう為、湿度は50%くらいに保つことがベストと厚生労働省も推奨しております。

その他に太陽光は乾燥と殺菌の効果があります。寝具などの直射日光を当て、常に乾燥して清潔な状態にしておくだけでかなりの防カビ効果が期待できます。

紫外線には殺菌力があります。この日光がベランダや室内により多く取り入れられるお部屋は魅力的ですね。

その他にも防カビ対策として家具のうしろや収納などは通風がわるくなりがちなので、通風が確保されるように配慮しておきましょう。

最後に、基本的なことになりますが、こまめに掃除をしてダニによる室内環境汚染を防止することに努めましょう。ダニやダニの死骸などがアレルギー、喘息、皮膚炎などの症状を悪化させることがあります。また、食べかすやフケなどはダニの餌にもなるので吸着しているダストを掃除機などでこまめに取り除くことが最も有効な方法で、ダニアレルゲンの除去に共通する対策です。

部屋の中でダストがたまりやすい場所を図にしたイラストがありましたので参考に清掃してみてください。

【 出典元:厚生労働省ー参考資料集ー科学根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)』 】

04❘快適に過ごすために素材に配慮

化学物質対策として、近年は各種法制度等により、室内における対策を講じることがすすめられています。快適に過ごす為に、家具や調度品等も含め、安全で安心な物を使いたいですね。

業界の取り組みの中で社団法人日本家具産業振興会会員企業がシックハウス対策のため、ホルムアルデヒドなどVOC (揮発性有機化合物) の発散を抑えた家具に「人にやさしい家具」のキャッチフレーズを用いた「室内環境配慮マーク」を家具業界における自主表示制度として活用されています。

このマークは、合板やMDFなどの繊維板とその接着剤でJIS・JAS等級区分の「F☆☆☆」(エフスリースター)または一番安全性の高い「F☆☆☆☆」(エフフォースター)以上のものがこのマークを表示することができます。家具に使われている塗料に関してはホルムアルデヒドを全く含んでいないものを使用しているという意味を持ったマークです。

JIS(日本工業規格)、JAS(日本農業規格)におけるホルムアルデヒドの等級制度として、次のような基準を設けられております。

住まいなどの内装仕上げ材等から発散されるホルムアルデヒドの放散量がどの程度かを目安にすることができます。ホルムアルデヒドの放散量は、原則として「F☆☆☆☆」、「F☆☆☆」、「F☆☆」、「F☆」、「F☆S」で表記されます。☆の数が多いほどホルムアルデヒドの放散量が少ないものとなります。

新しい家具を購入してから化学物質が原因か体調が優れなくなってしまう方もいるようなので、新しい家具を購入する際は「室内環境配慮マーク」等に着目して健康的に過ごせる素材を選択するのも化学物質対策として良いですね。

合板のJASマーク・表示の例

05❘人にやさしい「無垢(むく)の木材」

「無垢(むく)の木材」は接着剤等の化学物質を使っていないので、当初から化学物質の放散が想定されないとして放散等級格付け(F☆(スター)表示、☆数で表示することを義務付け)の規制や表示の対象外(安全なもの)とされています。

「無垢(むく)の木材」は「人にやさしい」素材なので、無垢材フローリングを採用している『プロスタイル市ヶ尾』は床を這う乳幼児がいるご家庭の方や化学物質に敏感な方がいるご家庭の方にも快適に過ごすためにおすすめできます。

快適な室内環境を整える為に家具やフローリング等の材料の選定を行うことは大切です。安全のものを取り入れて健康的な日常をつくりましょう。

『プロスタイル市ヶ尾』で採用しているオークの無垢材

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更新日 2024年08月01日
公開日 2022年02月04日

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