「24時間換気システム」はどのようなシステム?

2022.02.11

01❘「室内換気」の重要性

新型コロナウイルス感染対策の影響もあり、改めて「換気の悪い密閉空間」を改善することを心掛ける方も多くなったのではないでしょうか。

換気とは、室内の空気と、室内の新鮮な外気と入れ換えることで、室内の空気中の汚れた空気を、室内の外へ排出したり、有害物質の濃度を下げたりすることです。

厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策専門会議の見解で感染発生リスクの高い状況の回避のひとつとして、換気を励行することがあげられています。

換気の悪い密閉空間は、室内汚染物質が滞留しがちです。
換気の方法に関しては、外気風でなどの自然の力で換気する「自然換気」と換気扇や送風機の機械の力で換気する「常時換気」の主に2つがあります。

02❘24時間換気システムの設置の義務付け

現代の住宅では2003年7月施行の建築基準法の改正により、原則として常時換気の設置が義務付けられております。

定められた換気回数に基づき換気を行う必要がありますが、例えば住宅の場合、換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要 となります。この換気回数0.5回/h以上の定義とは1時間で半分の空気を入替するということになります。

24時間換気システム等の機械換気設備はシックハウス対策のひとつとして、義務付けされたものになります。正しく運転させることで、2時間で確実に室内の空気を全て入れ替えすることができますので常時稼働させましょう。

03❘24時間換気システムの種類について

24時間換気システムですが、大きく分けると3種類あります。
それぞれ吸排気の方式やメリット・デメリットが異なりますのでご参照ください。

◇第1種換気

第1種換気とは、給気と排気ともに機械換気設備を設置して、確実な給気と排気を行うシステムです。室内圧力を任意に設定できて、空気の流れもコントロールしやすい点がメリットです。

デメリットとしては、24時間換気システムの中で最も空気の流れを制御しやすいものの給気と排気ともに機械設備で稼働させるため、設置費用や電気代のコストが高くなってしまいます。また、メンテナンスの手間があるのもデメリットです。

◇第2種換気

第2種換気とは、給気のみ機械換気設備を設置して、排気は排気口等から自然に行うシステムです。給気のみ機械換気を行う方法なので空気を取り込む力のほうが強く、その性質から居室内の気圧が高い「正圧」を保つことができます。

正圧状態になると汚染物質や雑菌が入りにくくなるので、手術室や食品工場など衛生的に優れた環境を維持したい場所に有効です。

デメリットとしては、排気の力が弱いので居室内に湿気が滞留しやすく、結露が発生しやすい傾向があります。結露が発生しやすいデメリットがあるため、第2種換気は住宅にはあまり採用されません。

◇第3種換気

第3種換気とは、排気のみ機械換気設備を設置して、給気は給気口やすき間などから自然に行うシステムです。特徴としては全ての居室に給気口を設置する義務があります。排気のみ機械換気を行う方法なので空気を排出する力のほうが強く、その性質から居室内の気圧が低い「負圧」を保つことができます。負圧状態になるとの居室等への臭気や汚染空気等の漏れ防止に有効です。

第2種換気とは真逆の性質があるので、負圧状態により湿気がたまりにくくなります。その他に、第1種換気より電気代等のコストが抑えることができるメリットもあるので住宅で採用されることが多いシステムです。
第2種換気とは真逆の性質があるので、負圧状態により湿気がたまりにくくなります。その他に、第1種換気より電気代等のコストが抑えることができるメリットもあるので住宅で採用されることが多いシステムです。

 デメリットは外気温に影響されやすい点と第1種換気と第2種換気と比べると汚染物質や雑菌が入りやすい点があります。

第3種換気の室内用プッシュ操作式給気口・フェイス部を押すことで給気口を3段階に調節可能なものが多い

04❘24時間換気システムは切っては駄目なの?

24時間換気システムは止めることをできますが、しっかり24時間稼働して、空気の循環していただく必要があるので停止させないでお使いいただきたいです。

24時間換気が良いシステムなのは理解しているが、24時間稼働させるので電気代がかさむのではないかと心配な方もいらっしゃるかと思います。

第3種換気の24時間換気システムの電気代の目安になりますが、住宅の広さや電気料金によって異なりますが、月約100~500円程度のようです。
低コストで新鮮な空気を取り入れられるので電気代がかかるデメリットよりも稼働させて健康に留意できるメリットの方が大きいですね。

フィルターの掃除・交換を定期的に実施して清潔を保つことも前提ですが、24時間換気システムは常時稼働していただきたいですね。

05❘ 上手に「24時間換気システム」を利用しよう

外気温が非常に低い時は寒いので換気システムと稼働させたくないと思ってしまいますが、居室の空気環境を整えるために室温を適切に維持しつつ、室内をクリーンに保つための換気を両立してください。

エアコンなどの暖房器具でお部屋をあたたかくしつつ、汚染物質等を滞留させないように居室の換気をしましょう。世界保険機関(WHO)は、低い室内温度は、呼吸器系と循環器系疾病等の罹患率と増加に寄与することも踏まえ、18℃は、室温の下限値として住民の健康を守るために、安全にバランスのとれたものであると推奨しております。

また、湿度に関しては、インフルエンザウイルスの不活性率が最も高い相対湿度は約40%から60%なので40%以上に維持することが望ましいのです。
冬は暖房機器と加湿器を併用して最適な温度・湿度に保ちつつ、換気は忘れずに快適で健康的な生活環境を導きましょう。

公開日 2022年02月11日
更新日 2023年08月07日

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