今のお家の周りにはどんな建物が建てられる?「用途地域」について調べてみました!

2022.06.30

周辺環境が良くて引っ越したけど、いきなり近くにパチンコ屋さんが出来たり工場ができたりして、え!?ってなったことがある経験があるかもしれません。それには「都市計画法」という法律で定められた「用途地域」によって、その地域に建てられる建物が決まっています。そこで今回は、どんな地域にどんな建物が建てられるのか調べてみました。









用途地域ってなに?

例えば、戸建てが建ち並んでいるところに急に大型トラックが頻繁に出入りするような工場ができたりすると、その周辺に住んでいる住民の騒音問題や排気問題に繋がります。その結果、住民側も工場側も誰も良い思いをしません。そこで国は法律で定めた地域によって建てられる建物を制限し、そこに住む人や働く人にとって良い環境を作っていくことにしました。

そこで、健全で秩序ある都市の発展を目指すために「都市計画法」を制定し、国土を次のように分けました。

都市計画区域:多くの人が生活し、計画的に街づくりを進めていくために都市計画法で定められた地域

準都市計画区域:人は少ないが、都市的な土地利用が拡大していることから、乱開発防止のために都市計画法で定められた地域

都市計画区域外:あまり人が生活しておらず、都市的な土地利用がなされていない地域

また、都市計画区域はさらに「線引き区域」と、「非線引き区域」の2つに区分されており、線引きとは市街化区域市街化調整区域に分ける(線引き)ことです。「非線引き区域」は将来的に都市開発を進める地域だが、現時点では市街化区域と市街化調整区域が決まっていない地域のことです。

線引きされた区域は、市街化区域と市街化調整区域とに分けられ、

市街化区域は、「すでに市街化を形成している区域、またはおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」のことで、

市街化調整区域は、「市街化を抑制すべき区域」のことになります。農地や山林を守るため建物の建築を制限されています。

「用途地域」とは、主にこの市街化区域の中で「計画的な市街地を形成するために、用途に応じて13地域に分けられたエリア」のことで、大まかに分けると住居系・商業系・工業系の3種類があり、市街化区域には必ず「用途地域」が定められます。

【住居系】

第一種低層住居専用地域

低層住居の良好な住居の環境を保護するため定める地域

第二種低層住居専用地域

主として低層住居の良好な住居の環境を保護するため定める地域

田園住居専用地域

農業の利便を増進を図りつつ、これと調和した低層住居の良好な住居の環境を保護するため定める地域

第一種中高層住居専用地域

中高層住宅の良好な住居の環境を保護するため定める地域

第二種中高層住居専用地域

主として中高層住宅の良好な住居の環境を保護するため定める地域

第一種住居地域

住居の環境を保護するため定める地域

第二種住居地域

主として住居の環境を保護するため定める地域

準住居地域

道路の側道としての地域の特性にふさわしい業務の利便の増進を図りつつ、これと調和した住居の環境を保護するため定める地域

【商業系】

近隣商業地域

近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域

商業地域

主として商業等の業務の利便を増進するため定める地域

【工業系】

準工業地域

主として環境の悪化をもたらすおそれのない工業の利便を増進するため定める地域

工業地域

主として工業の利便を増進するため定める地域

工業専用地域

工業の利便を増進するための地域

以上の13種類の地域があり、これらにはそれぞれ建築できる建物が制限される「建築制限」というものが定められています。



その地域には何が建てられる?「用途制限」とは

まず、用途地域によって定められている制限の中で「容積率」と「建ぺい率」について説明します。

【容積率】

容積率とは、延床面積(建物内にある廊下や部屋等の床の広さの合計)の敷地面積に対する割合のことです。例えば100㎡の土地の容積率が100%だと、100㎡の延床面積の建物しか建てられません。これが200%だと延床面積200㎡の建物が建てられます。住居系の容積率は50~500%に定められています。この制限があることによって、街に突然まわりとは比べ物にならないほど大きい建物が建ち景観を損なったり、陽があたらなるのを防止します。

【建ぺい率】

建ぺい率とは、建築面積の敷地面積に対する割合のことです。建築面積とは原則建物を上空からから見たときの面積になり、容積率と異なり100%を超えることはありません。敷地面積が100㎡の土地に、80㎡使う大きさの建物を建てると、建ぺい率は80%となります。地域によって変わってきますが、住居系の建ぺい率は30~80%です。

【用途制限】

上記表は、各用途地域内で建てられる建物の制限を表にした物です。自分の今住んでいる地域がどの用途地域に建っているかは、「住所+スペース+用途地域」と検索し、用途地域マップというものが各地域の役所で作成していて、そちらを確認できますので試してみてください。この用途制限によりその地域の乱開発を防止し、地域住民の方の生活を守っているということになります。



まとめ

普段生活していると、用途地域について気にしたことがある方は少ないのではないでしょうか。もし現在物件購入を考えお探し中の方も、賃貸で引越しを考え中の方も、見学の際に不動産屋さんの担当の人に聞いてみて、表と照らし合わせてみてはいかがでしょうか。意外と準工業地域などにマンションが建てられていて、急に隣に工場が建てられたりするかもしれませんよ。

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公開日 2022年06月30日
更新日 2023年04月08日

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