≪マンション環境性能表示≫ってなんだろう?

2022.04.05

よく新築マンションのHPやチラシなどの広告に載っている、≪マンション環境性能表示≫。

引用:東京都環境局
例:横浜市の表示

このような表示を見たことはありますでしょうか?

一見すると「★がいっぱいあった方がいいんじゃない?」と単純に思いますが、具体的にどんな内容なのか、なんで表示されているのか、など知らないことがいっぱいだと思います。

今回はこの≪マンション環境性能表示制度≫の東京都を参考に、調べてみました!


マンション環境性能表示制度とは?

内容

2005年(平成17年)より始まった制度で、建築主へ大規模な新築などのマンションの販売広告等に、環境性能に関する情報の表示を義務化して、東京都へ「建築物環境計画書」を提出し、環境に配慮した取り組みをしなければいけません。

しかし、この建築物環境計画書は一般の人からすると専門用語が多く、せっかく環境に良い建物を建築したのに、いまいち伝わりません。

そこで東京都はマンションの環境性能を一目でわかるようにするため、上記のようなラベルを作成し広告へ記載することを義務付けしました。

これは、建築物はいったん建設されると長期間にわたり使用されていくことから、新築時に環境性能の高い建築物を建設する必要がある、という位置づけのため定められた制度となります。

目的

・購入希望者に対する環境に配慮したマンションに関する選択肢の提供

・建築主の自主的な環境配慮の取組促進

・環境に配慮したマンションが高く評価される市場の形成促進

対象建築物

平成17年10月1日以降に東京都に建築物環境計画書を提出した延床面積5,000~10,000㎡超の新築又は増築の分譲マンションが対象です。(延床面積2,000㎡~は任意提出となります。)

※延床面積とは、建物全体の床面積のことを言います。(マンションの廊下や各部屋の床面積)なので、階数や戸数の比較的多いマンションをご想像ください。

このようなマンションは環境確保条例に定められており、建築物の新増築に対して約20項目にわたって環境配慮の措置について評価するための物を「建築物環境計画書」といいます。


環境性能表示の内容とは?

環境性能の内容としましては、主に下記5項目があります。

建物の断熱性・・・建築物の形状、配置外壁、屋根の断熱、窓部の熱負荷の低減など

建物の断熱とは室内側と室外側の熱移動を遮断して外気温が室内に伝わりにくくすることです。 熱伝導率の低い断熱素材を隙間なく施工し気密性を保つことが基準となります。 これにより、暖房冷房機器の消費を抑えられることができ、省エネに繋がります。

設備の省エネ性・・・設備システムの省エネルギー

給湯、床暖房、空調システム、暖房機能付給湯やエレベーターなど、どのくらい設備のエネルギー消費が抑えられて、環境に配慮しているかどうかが基準となります。

太陽光発電、太陽熱・・・再生エネルギーの変換利用

太陽光発電は、太陽光を太陽電池を用いて直接的に電力に変換する発電方式です。これら再生可能エネルギーの変換利用をどのぐらいしているのか、が基準となります。

建物の長寿命化・・・躯体の劣化対策等級

維持管理・更新・改修・用途の変更等の自由度の高さが基準となります。木造だとシロアリ対策、鉄筋コンクリート造だと鉄筋の錆び対策など、住宅を長持ちさせるための対策の程度が基準となっています。等級3を獲得すると、3世代(75年~90年程度)まで長持ちするように対策が講じられています。

※この耐用年数は、通常の自然条件で、建物の清掃、点検、補修を日常的に適切に行っていたと仮定したものです。

緑の量と質・・・緑の面積と高木による緑化

敷地面積に対してどのくらい緑の敷地があるかという「緑の量の確保」、建築物上の樹木・高木の植栽・既存の樹木など、「緑の質の確保」が基準となっております。

上記内容を★の数で評価致します。

「★の数」

・★=最低限の水準で環境への配慮が行われている。

・★★=各種法令以上の環境への配慮が行われている。

・★★★=環境への配慮の取り組みが最も優れた水準で行われている。

上記内容を、東京都建築物環境配慮指針に基づき自らが評価して広告に表示します。


環境性能表示の評価が価格に影響する?

環境・社会問題に対する世界的な関心の高まりを背景に、日本の不動産分野でも「環境性能評価」の普及が進み注目も高まっています。

不動産会社によっては、環境性能表示をするため、その評価を専門としている第3者機関「CASBEE」へ評価を依頼し広告に掲載しているところもあります。

「CASBEE」は、建物を環境性能で評価し、格付けする手法です。

具体的には、「Q:環境品質」と「L:外部への環境負荷」の2つの側面から、「建築物の環境効率」を計算し、環境性能を評価します。

これは新築マンションの購入検討者が、「環境性能評価」に関する情報を考慮していれば、高い環境性能を有するマンションの価格は高くなると考えられます。

実際に大阪の方で、「住宅性能評価」が1ランク上がると、新築マンションの価格への影響として、価格が4.7%上昇するとの調査結果も出ています。

環境性能評価が高い物件が良いと思う方もいるかと思いますが、性能評価が高い分価格も高くなってしまうという点もあります。

購入を検討されている方の中には、やはり価格を重視されている方も多いと思いますので、環境性能評価が高い物件が必ずしも全ての方々に当てはまるわけではなさそうですね。


まとめ

いかがでしたでしょうか?

今だと賃貸物件の広告等にも掲載がありますので、この「環境性能表示」を見かけたことがあった方も多いのではないでしょうか。

本記事を作成するにあたり、実際にこの表示の中にこれだけの内容があったなんて思いもよらず、今後の参考にもなりました。

皆様も、もし日常で目に付いて気になるものがありましたら、ぜひ調べてみてください!

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公開日 2022年04月05日
更新日 2023年04月04日

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