~世界の建築様式~2024年夏季五輪で沸く パリ・エッフェル塔

2023.07.24

2024年夏季オリンピック・パラリンピック開催地、フランス・パリ。この年はフランスで前回開催された夏季オリンピックから100年という節目の年で、市民の方々は特別な感情を抱いているのではないのでしょうか。

今大会は、五輪史上最もサステナブルな大会ということで、大会に関連したCO₂の排出量を2012年ロンドン五輪(過去一番環境問題への取り組みがあったといわれています)から55%削減することを目標としています。例えば、会場の95%は既存や仮設にすること、100%再生可能エネルギーを使用すること、主にパリの中心地で開催し、観客の移動を公共交通機関や自転車、徒歩に限定するなどして実現を目指します。

街全体が競技に使われることにより、選手から感動や勇気をもらえるだけではなく、映し出される街並みも楽しむことができます。中でも、ビーチバレー会場の”シャン・ド・マルス”広場の前にそびえ立つ”エッフェル塔”は世界有数の観光名所であり、パリのシンボルとして世界中の人々を魅了しています。今回は、そんなエッフェル塔についてご紹介します。

パリ万博のためのエッフェル塔

フランス革命からこちらも100年の節目の年、パリにて万博が開催されることになり、その目玉になるものとして、当時ヨーロッパにおいて鉄橋工事を成功させていた有名な技師、ギュスターヴ・エッフェルによるエッフェル塔の建設が計画されました。それは、当時では異次元の高さの300m超えであったため、安全性への懸念の声や、無機質な姿が石造りの街並みの景観を損ねるのではないかという声も上がり、市民や芸術家による反対運動が起こりました。一方、工事は万博に間に合うように着々と進められ、2年2ヶ月という超スピードで完成しました。

鉄の貴婦人

完成当時の高さは312.3m。先に述べたように当時は異次元の高さであったため、強風への耐久性が課題でした。しかし、エッフェルは地面に風を逃すアーチ状の尖塔構造と、横方向に風を逃すトラス構造(三角の組み合わせ)を採用し、美しさと合理性を共存させました。レースのように見えるその姿から、”鉄の貴婦人”と称されています。

なお、塔は酸化を防ぐために、7年に一度塗り直しが行われています。そのカラーは「エッフェルタワー・ブラウン」とも呼ばれ、街と調和するように独自にブレンドされています。

解体の危機

パリ万博終了後、徐々に入場者は減っていき、また、パリ万博に合わせた一時的な目玉として建設されたため、塔の権利がパリ市に移る1909年には解体される予定でした。

しかし、当時世界は武力による緊張状態の最中。フランス軍の通信担当者は無線電波を塔で送受信することを提案し、解体の危機を免れました。実際、国防のために大活躍し、現在もテレビやラジオの電波塔としての役割を担っています。なお、高さはアンテナ等の取り付けで更新し続け、現在は約330mとなっています。

まとめ

エッフェル塔には上から順に第三展望台から第一展望台まであり、第二展望台までは704段の階段で登ることができます。エレベーターは当初から水圧で稼働しており、当時から環境への配慮があったようですね。いろいろな発見と学びがありそうなオリンピックが今から楽しみです!

公開日 2023年07月24日
更新日 2023年08月07日

この物件の担当者

フレッド

20代

建物や間取り図好きが高じて不動産業に従事しています。

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