~世界の建築様式~英チャールズ国王戴冠式で話題のウェストミンスター寺院とバッキンガム宮殿

2023.05.08

5月6日、イギリスの首都ロンドン中心部のウェストミンスター寺院でチャールズ国王の戴冠式が行われました。チャールズ国王は去年9月、エリザベス女王の死去に伴って国王に即位しましたが、戴冠式は聖職者が君主となる国王へ王冠を授け、正式に即位したことを国内外に示すという意味があります(ちなみに日本の即位礼正殿の儀のようなものです)。イギリスでは1000年以上にわたり続いています。

今回は、そんな王室行事が執り行われるウェストミンスター寺院と、王戴冠に訪れた世界各国の元首や王族ら参列者の歓迎会が行われたバッキンガム宮殿の建築様式をご紹介します。

ゴシック建築のウェストミンスター寺院

ウェストミンスター寺院は、1065年エドワード王によって修道院として建てられました。 その後13世紀後半、ヘンリ3世がフランスの大聖堂を模して大改築を施し、その後も幾度となく改築を重ね、ゴシック建築の代表的な建築物となりました。

◆◆ゴシック建築とは◆◆

12世紀後半フランスでは、農業改革が進み生産性が上がると、職を失った人々は都市部に移り住み、慣れない生活からキリスト教に救いを求めました。そんな信者たちを収容できる大規模な教会が必要ということで誕生したのがゴシック建築です。それまで”分厚い壁・小さな窓・半円アーチの開口部”という重厚感のある佇まいが特徴のロマネスク建築が主流でしたが、天井の構造を進化させ、壁の外側から支える梁を用い、また、開口部を尖頭アーチにすることで造りを強固とし、縦に空間を広げることに成功しました。神と考えられていた光をたくさん取り入れる大きな窓やステンドグラスが設けてあることも特徴です。

代表的な建築物は、フランス・パリのノートルダム寺院、スペイン・トレドの大聖堂、ドイツ・ケルンの大聖堂などがあり、東京大学の安田講堂や学部棟もゴシック建築を基調としています。

ネオクラシック建築のバッキンガム宮殿

バッキンガム宮殿は、1703年バッキンガム公が自らの邸宅として建てたのが始まりとされています。当初は煉瓦のみで建てられた非常に簡素な邸宅でした。その後王室が買い取り、1825年ごろから大改築が行われ、それまでルネサンス建築(水平線が強調されたデザイン)だった建物がネオクラシック建築に改築されました。

◆◆ネオクラシック建築とは◆◆

ネオクラシック建築(=新古典主義建築)とは、18世紀後半フランス革命によって絶対君主制が揺らぎはじめた混乱の時代に、古代の様式を模倣して原点に立ち返ろうという考えから、古代ギリシャやローマの芸術に影響を受けた建築様式です。円柱は独立して用いられ、調和性や統一性、形式美を重んじていることが特徴です。

 代表的な建築物は、フランスのパンテオンやエトワール凱旋門などがあります。

まとめ

建物は歴史を映し出す鏡だと改めて思うとともに、物も機械もない時代にこれほど壮麗な建物を造り上げた先人たちに尊敬の念を抱きます。

素敵な建築物に出会ったらちょっと調べてみると、もっと世界が広がって面白いかもしれませんね♪

公開日 2023年05月08日
更新日 2023年08月07日

この物件の担当者

フレッド

20代

建物や間取り図好きが高じて不動産業に従事しています。

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