~世界の建築様式~筆者的最も再訪したい国 ポルトガル・ジェロニモス修道院

2023.06.18

「ここに地果て、海始まる」

ユーラシア大陸最西端にあるポルトガル・ロカ岬の石碑に刻まれたポルトガルの詩人・カモンイスの叙事詩『ウズ・ルジアダス』の一節です。

そんな日本から最も遠いヨーロッパのポルトガルですが、友好の歴史は古く、遡ること大航海時代(日本でいうと安土・桃山時代)、ポルトガル人を乗せた中国船が種子島に漂着し、鉄砲(火縄銃)の技術を日本に伝えたことに始まります。その後、フランシスコ・ザビエルがキリスト教を布教したり、貿易が盛んに行われ、今なおポルトガル文化は日本に色濃く残っています。

今回はポルトガルで生まれた建築様式をご紹介します。

マヌエル様式のジェロニモス修道院

国王ジョアン1世の息子でヨーロッパの新航路開拓と航海術や天文学の研究を進めたエンリケ航海王子により、大航海時代の扉が開かれ、その後、インド航路を開拓し、ポルトガルに香料貿易による巨万の富をもたらしたヴァスコ・ダ・ガマ。ジェロニモス修道院は当時の国王マヌエル1世が彼らの功績を称えベレンに建立した修道院です。16世紀初頭に着工し、その後およそ300年もの歳月をかけて造られ、世界遺産にも登録されています。

マヌエル様式は、ポルトガルの財力を背景に独自に発展した建築様式で、マヌエル1世にちなんで名づけられました。ロープ、珊瑚、天球儀など海洋にまつわるものや、異国の動植物をモチーフにした浮き彫りが特徴で、壮麗な南門、柱の彫刻や高い天井を支えるリブが重厚さを醸すサンタ・マリア教会、そして何と言っても、中庭を囲む55m四方の回廊は圧巻です。

一つ一つの繊細な彫刻こそ、マヌエル様式の美の骨頂と言えます。


ポルトガルの英雄たち

ベレン、テージョ川に面して建つ「発見のモニュメント」 。1960年、エンリケ航海王子の没後500年を記念して建てられました。彼を先頭に、ヴァスコ・ダ・ガマや世界一周航路を開拓したフェルディナンド・マゼラン、フランシスコ・ザビエルなど、大航海時代に活躍した英雄たち33名が見られます。


まとめ

乗り継ぎ時間を含めると、日本を発って17時間以上はかかるポルトガルですが、どこかノスタルジックな雰囲気のある国です。大西洋の風に吹かれながら、その先に広がる旅(冒険)に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。

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更新日 2024年07月28日
公開日 2023年06月18日

この物件の担当者

フレッド

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