70㎡より60㎡が売れる?大は小を兼ねない?

2026.10.12

いま考えたい「住みやすい面積」と資産価値

マンションを探していると、「できるだけ広い部屋がいい」と考える方も多いのではないでしょうか。

70㎡、80㎡、90㎡……。

確かに、専有面積が広くなれば、ゆとりのある間取りや収納スペースを確保しやすくなります。

一方で、不動産の市場価値を考えると、「広ければ広いほど売りやすい」とは限りません。

大切なのは、そのエリアでどのくらいの広さが求められているのか、そして購入しやすい価格帯に収まっているのかという視点です。

今回は、不動産の「面積」と「資産価値」について考えてみます。


「坪単価」だけでは見えない、マンション価格の考え方

マンション価格を比較するとき、不動産業界では「㎡単価」や「坪単価」がよく使われます。

例えば、同じ坪単価500万円のマンションでも、

60㎡なら約9,090万円
70㎡なら約1億620万円

となります。

※実際の販売価格は、住戸の階数・向き・眺望・間取りなどによって異なります。

ここで重要なのが、「坪単価」と「購入総額」は別の話だということです。

坪単価が同じであれば、面積が広くなるほど当然ながら総額は上がります。

つまり、70㎡の住戸が60㎡の住戸より「高品質」「高価値」だから売れやすい、とは単純には言えません。

購入する人にとっては、

「その価格で購入できるのか」

という総額も重要な判断材料になるからです。


60㎡が選ばれるケースがある理由

例えば、同じマンションで60㎡と70㎡の住戸が販売されていたとします。

70㎡の方が広く、収納や居室のゆとりを確保しやすい一方、価格はその分高くなります。

一方、60㎡であれば、

  • 2~3人程度の世帯でも検討しやすい
  • 総額を抑えやすい
  • 住宅ローンの借入額を抑えやすい
  • 将来的な売却時にも購入検討者の母数を確保しやすい可能性がある

といった特徴があります。

もちろん、すべてのエリアで60㎡が70㎡より需要が高いわけではありません。

ファミリー世帯が多い地域であれば70㎡以上の需要が強いケースもありますし、都心部ではコンパクトな住戸の需要が形成されているケースもあります。

重要なのは、「そのエリアで、誰がその住戸を購入するのか」という視点です。


資産価値を考えるなら「広さ」より「需要」を見る

不動産の資産価値を考えるうえで、専有面積は重要な要素の一つです。

しかし、それだけで将来の価格が決まるわけではありません。

例えば、

「70㎡だから資産価値が高い」

「60㎡だから売れやすい」

と単純に判断することはできません。

実際には、

立地 × 価格 × 面積 × 間取り × 築年数 × 管理状態 × 周辺環境

など、複数の要素が組み合わさって市場での評価が形成されます。

なかでも私たちが注目したいのが、「その住戸を購入できる人がどれだけいるか」という視点です。

例えば、70㎡の住戸が1億円を超える一方、60㎡の住戸が8,000万円台だったとします。

70㎡の方が広いことは間違いありません。

しかし、購入できる予算帯が異なるため、必ずしも同じ購入者層を比較しているわけではありません。

将来売却するときも同様です。

「広いから売れる」のではなく、「その価格・広さ・立地を求める人がいるか」が重要になります。


「住みやすい面積」は、家族構成によって変わる

では、実際に何㎡くらいが「住みやすい」のでしょうか。

これも一概には決められません。

単身者であれば40㎡台でも十分な住空間を確保できる場合があります。

2人暮らしであれば50~60㎡台、子育て世帯であれば70㎡前後以上を希望するなど、ライフスタイルによって必要な広さは変わります。

さらに同じ60㎡でも、

60㎡・2LDK

なのか、

60㎡・3LDK

なのかによって、使い勝手や購入検討者も変わってきます。

そのため、面積を見るときには「何㎡あるか」だけではなく、

「その面積をどう使える間取りになっているか」

まで見ることが重要です。


不動産のプロが見る「面積」のポイント

私たちがマンションを見るとき、単純に「広い・狭い」だけでは判断しません。

例えば、

① そのエリアの購入者層

単身者が多いエリアなのか、DINKsが多いのか、ファミリー世帯が中心なのか。

② 総額が購入検討者の予算に収まるか

㎡数が増えれば価格も上がるため、面積と価格のバランスを見る必要があります。

③ 間取りが面積を有効活用できているか

同じ60㎡でも、廊下の長さや収納、柱の位置などによって実際の使いやすさは変わります。

④ 将来の売却時に競合物件がどのくらいあるか

同じエリアに似た広さ・価格帯の中古マンションが多ければ、売却時には比較されることになります。

⑤ 「欲しい」と思う人がいる住戸か

最終的には、数字だけではなく、その住戸を必要とする購入者がいるかという視点も重要です。


「広い=資産価値が高い」ではない

マンションを購入するとき、

「せっかく買うなら、できるだけ広い部屋を」

と考えるのは自然なことです。

ただし、資産価値という視点を加えるのであれば、もう一歩踏み込んで、

「この広さを、この価格で、この立地に求める人はいるだろうか?」

と考えてみることをおすすめします。

60㎡が70㎡より優れているわけでも、70㎡が60㎡より優れているわけでもありません。

大切なのは、そのエリアの需要と価格のバランスが取れているかということです。

住まいとしての満足度と、将来の売却可能性。

その両方を考えながら、自分にとって適切な「広さ」を選ぶことが、これからのマンション選びではより重要になっていくのではないでしょうか。

※本記事は一般的な不動産市場の考え方を紹介するものであり、特定の物件の将来の売却価格や資産価値を保証するものではありません。実際の不動産価格や需要は、立地、築年数、階数、方角、間取り、管理状況、市場環境等によって異なります。

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公開日 2026年10月12日

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