プロスタイル札幌 宮の森

おかげさまで、プロスタイル札幌宮の森は2022年「グッドデザイン賞」を受賞いたしました。
グッドデザイン賞は、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の仕組みです。人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰している評価制度です。 今回受賞いたしました「プロスタイル札幌宮の森」をご紹介いたします。

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Concept

「地元産の間伐材に覆われた丘の住処」

札幌の中心市街地を見下ろす山の中腹に建つ分譲集合住宅。周囲の山と低層住宅地に溶け込むように斜面に沿って20の住戸を積み上げ、眺望のよいリゾートホテルのような豊かな住環境を創出しました。また、地域の小径間伐材を使った独自の残存型枠構法を採用し、中高層建築における木材利用の新たな可能性に挑戦した物件でもあります。

  • 1

    雁行するボリュームが作るヒューマンスケールのエントランス

  • 2

    室内外に展開された残存型枠と同じ材による木ルーバー

  • 3

    札幌の街並みへの眺望を最大限に取り込んだ住空間

  • 4

    特別な眺望を得られる立地を最大限活かした住環境の創出

  • 5

    すべての住戸の専用ルーフバルコニーの先に広がる札幌市街のダイナミックなパノラマ

  • 6

    意匠上のポイントでもある樹皮の表情を残した荒々しい凹凸のある外壁

受賞対象の概要

受賞対象名

[プロスタイル札幌宮の森]

受賞企業

株式会社LogSuite、株式会社プロスタイル

分類

中〜⼤規模集合住宅

概要

札幌の中⼼市街地を⾒下ろす⼭の中腹に建つ分譲集合住宅。周囲の⼭と低層 住宅地に溶け込むように斜⾯に沿って20の住⼾を積み上げ、眺望のよいリ ゾートホテルのような豊かな住環境をつくった。また、地域の小径間伐材を 使った独自の残存型枠構法を採用し、中⾼層建築における木材利用の新たな 可能性に挑戦物件になります。

プロデューサー

株式会社LogSuite 代表取締役社⻑ 野澤泰之

デザイナー

隈研吾

詳細情報

利用開始

2022年8月

価格

オープンプライス

販売地域

国内・海外共通仕様

設置場所

北海道札幌市

仕様

◇用途/共同住宅 (20⼾)
◇構造/鉄筋コンクリート造一部鉄骨造
◇規模/ 地上11階建(※建築確認︓地下2階地上3階建)
◇敷地⾯積/4,413.25㎡
◇建築⾯積/1,735.35㎡
◇延床⾯積/4,988.13㎡

受賞対象の詳細

背景

計画地は札幌の中心である大通りの軸線を真正面に見下ろす山の中腹に位置し、特別な眺望を得られる場所であったため、それを最大限活かした住環境の創出を目指した。同時に、市街地側から見上げた際にも目立つ場所となるため、単体の敷地だけでなく、都市や山の景観といったスケールへの配慮が求められると考えた。この場所の特性は、本件がさらに大きな社会課題に取り組むにも相応しい機会であると感じさせた。脱炭素社会の実現に加え、持続可能な森林保全の観点からも国産木材の利用拡大が求められる我が国では、中高層建築へ木材利用の促進が課題となっている。昨今、耐火木造やCLTといった構法が注目されているが、法的な制約が多く、技術面やコスト面でのハードルが高いこともあり、現時点では大規模な普及には至っていない。そこで、より汎用性が高く、技術的にも簡易な木材利用の代替方法を、意匠上の表現と融合した形で実現させることを目指した。

経緯と成果

20の住戸を一つの塊として扱うのではなく、一つ一つの住戸を山肌に張付くように並べた。建築を住戸スケールに分節することで、周囲に広がる低層住宅地に馴染ませるとともに、市街地から見上げた山並みに溶け込むよう配慮した。各住戸は斜面に沿ってずらしながら階段状に積み上げ、札幌の街並みや周囲の山への眺望を室内に最大限取り込んだ。外壁には地域の間伐材をパネル化した独自の残存型枠構法を採用した。型枠は三面を切り落とした小径の丸太を並べて両端をボルトで固定するだけの簡易的な納まりとし、大規模な機械を持たない工場でも加工しやすい構法を考案した。外部に露出する一面は、樹皮の表情を残した荒々しい凹凸のある外壁を意匠上の表現とし、寸法の不揃いを許容することで利用可能な木材の範囲を広げるとともに、表面加工を最小限とすることでコスト削減を図った。

デザインのポイント

1.住戸スケールに分節したボリュームを山肌に張付くように並べ、建築を周囲の山と低層住宅地に溶け込ませた。
2. 各住戸をずらしながら階段状に積み上げ、札幌の街並みや周囲の山へ眺望を室内に最大限取り込んだ。
3. 地域の小径間伐材を外壁仕上を兼ねたRCの残存型枠として使用し、木材利用の新たな可能性を開拓した。

物件概要

名称: プロスタイル札幌 宮の森
所在地: 北海道札幌市中央区宮の森4 条13丁目7-36
交通: 札幌市営地下鉄東⻄線「円⼭公園」駅 ⾞約7分約2.6km /「⻄28丁目」駅
⾞約7分約2.5km JR函館本線「札幌」駅 ⾞約17分約5.7Km
用途地域: 第一種低層住居専用地域
敷地⾯積: 4,413.25㎡
建築⾯積: 1,735.35㎡
延床⾯積: 4,988.13㎡
専有⾯積: 124.26㎡〜176.65㎡
バルコニー⾯積: 3.45㎡〜8.41㎡
テラス⾯積: 26.78㎡〜122.76㎡
ドライエリア⾯積: 7.82㎡〜14.65㎡
プライベートガーデン⾯積: 16.21㎡〜105.87㎡
構造・規模: 鉄筋コンクリート造一部鉄骨造・地上11階建(※建築確認︓地下2階地上3 階建)
総⼾数: 20⼾(他管理人室1⼾)
入居時期: 即入居可
売主・共同事業主: 株式会社LogSuite
共同事業主: 株式会社プロスタイル
施⼯: 株式会社砂子組
管理会社: 株式会社東急コミュニティー
設計・監修: 隈研吾建築都市設計事務所
設計監理: 株式会社フィルド

審査員の評価

閑静な低層の住宅地にある、自然豊かな宮の森の環境と溶け込み、調和した大変優れた計画である。敷地の高低差を活かした20戸の配置計画によって、周辺の住宅や森と連続した風景がつくられている。プランは5パターンほどあり、多様な世代の暮らし方に対応できる工夫がされている。ボリュームを水平・垂直方向にずらすことで、眺望の良いテラスや通り階段が生まれるなど自然風景を意識した丘を活かしたデザインは見事である。外壁の仕上げは、デザインの方針からコンクリートとせず、型枠として採用した間伐材の道南杉(北海道産)としている。このような木を積極的に活用することは、二酸化炭素削減、林業再生、花粉症などの社会問題に貢献している。広い視点として日本全体の環境の循環をデザインに組み込む姿勢は、将来にわたって普遍的に重要な理念であると言えるだろう。