地元喫茶店マスターに訊いた「宮の森の魅力」
その街のことを知りたければ、地元の喫茶店のマスターに訊けばいい。そんな言葉に従って、宮の森の名店「wake cafe(ウェイク カフェ)」のドアをたたきました。
「他の場所には住めなくなる」
北海道神宮の参道からすぐの住宅街に「wake cafe(ウェイク カフェ)」はあります。カレーやハヤシライスをはじめ、食事メニューは洋食店と見まがうほどの豊富なラインアップ。丁寧に手作りされた出来立ての料理や本格的なコーヒーを求め、いつもゲストで賑わっています。今回お話を伺ったのはこのお店のマスター田村さん。束の間のおしゃべりを楽しみに訪れる常連客も多く、地元の人をよく知る一人です。
「ここに住んだことがある人と話すと、みんな口を揃えて“他の場所には住めなくなる”と言いますね」と田村さん。
「北一条通をまっすぐ進めば札幌駅へもすぐですし、散歩ができる神社や公園、動物園も近い。スキー場もあるからウインタースポーツが好きな人にもいいですよね。
その上、わざわざ引っ越してくる人がいるほどの文教地域で、子育て世代も多いです。遊びも暮らしも文化も、それぞれに求めるものがすぐそばにあって、世代を問わず誰もが住み心地のいい街なんだと思います」
喫茶店と食材店の不思議な縁
15年ほど宮の森の喫茶店「wake cafe(ウェイク カフェ)」を営んでいる、田村さん。評判の料理に使う素材のほとんどは、すぐ目の前にある「フーズバラエティすぎはら」から仕入れ、特に野菜の美味しさには目を見張ります。
「wake cafe(ウェイク カフェ)」は、現在の場所へ移転する前もすぐご近所で営業されていました。
「新しく物件を探しているときに、その話をお向かいの杉原さんにしたんです。そうしたら『ちょっと待ってくれたらここへ場所を作るから、そこでお店をやらないか』と提案してくださいました」
杉原さんのお店は昭和19年創業の老舗。地元の人はもとより食のプロからも厚い信頼を得ています。
「仕入れでもお世話になっていますが、今は僕が作る惣菜やお弁当も扱ってくれています。オープン当初からとても良くしてくださって、先代からもいろんな話を聞きました。特に興味深かったのはその成り立ちです。昭和20年代、この周辺は青果店や精肉店、鮮魚店などが軒を連ねる札幌の一大中心地。札幌オリンピックを機に、現在の札幌の街並みへと変化していったそうですが、僕を誘ってくれたのも、この周辺を再び盛り上げていきたいという気持ちがあったのだと思います」
【wake cafe(ウェイク カフェ)】
札幌市中央区宮の森1条10丁目4-33
tel:011-213-8819
Instagram:@wakecafe_miyanomori
【フーズバラエティすぎはら】
札幌市中央区宮の森1条9丁目3-13
tel: 0120-202-447
Instagram:@foods_variety_sugihara