東京や大阪にはない、札幌ならではの魅力
北海道に移住する外国人も数多くいます。東京や大阪ではなく、あえて札幌を選ぶ理由はどこにあるのか。札幌でベトナム料理店を営むグエンさんに聞いてみました。
「みんな穏やかで優しくて、居心地がいい」
日本料理に魅せられて北海道へ移住したのが、ベトナム人の料理人グエン・バー・フックさんです。首都ハノイ出身で、野菜たっぷりのバインミー専門店「バインミーシンチャオ札幌店」のオーナー。東京や神戸に店を構える系列店の料理特別顧問も務めます。
ベトナムで料理人として働いていたときに偶然口にした日本料理に衝撃を受け、「本物を学びたい」と一念発起。日本語を学びながら室蘭の調理専門学校へ留学し、卒業後はホテルの日本料理店などで修行を積みました。
なぜ北海道にお店を持つことにしたのですか?
「東京にも1年ほど住みましたが、やっぱり北海道は人がみんな穏やかで優しくて、とても居心地がいいんです。留学生だった頃の恩師は、まるで自分の子どものように可愛がってくれましたし、当時の同級生は今でもみんな友達です。系列店舗を増やすことになったとき、最初は名古屋など他の都市の名前が上がっていたんです。でもそれではお世話になった北海道に、自分が住んでいた痕跡が全くなくなってしまう。ちょうどフランチャイズの話も出ていたので、それならばと会社を立ち上げ、札幌に自分のお店を構えることに決めたんです」