【隈研吾に訊く】集合住宅を手掛けた理由

MEMBER’S NEWS|Vol.8 2021.10.15

【隈研吾に訊く】集合住宅を手掛けた理由

「PROSTYLE札幌 宮の森」は、世界的建築家の隈研吾氏が設計・監修に携わっています。当物件の生みの親である隈氏に「PROSTYLE札幌 宮の森」の見どころ、魅力を改めて語っていただきました。

「宮の森のロケーションが決め手だった」

高輪ゲートウェイ駅、2020東京五輪のメインスタジアムとなった新国立競技場など、大規模な公共建築のイメージが強い隈研吾氏ですが、なぜ今回、集合住宅を手がけたのでしょうか。その答えは“立地”にありました。

「僕が建築を引き受けるかどうかは、基本的には場所なんです。建築によって場所を引き立てたいと思っていますし、逆に場所が良ければ建築の価値がアップします。日本には借景という言葉がありますが、宮の森は場所が良く、その場所の価値が建築に乗り移ると感じました。ただし、建築家が作るものはわざとらしさが勝ってはいけないと思っています。あくまで、地形のおもしろさが勝つべきです」

 

 

集合住宅というと大きな箱のような建築が一般的ですが、「PROSTYLE札幌 宮の森」は違います。一見すると小さな箱が無秩序に散らばっているようでいて、その実、適度な均衡を保って丘の斜面に寄り添うようにまとまっています。これも、隈氏の新しい試みのひとつです。

「この建築は、集合住宅の形態としても新しくて、地形と同化しているという言い方もできるし、ひとつの村のような建築という言い方もできます。従来のマンションや集合住宅のスタンダードを壊すきっかけになると思っています」