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  • INTERVIEW/ KENGO KUMA

『home』としての実感を得られる
木と寄り添う上質な暮らし

「プロスタイル札幌 宮の森」の設計を手がけたのは、世界中で活躍する建築家・隈研吾氏。
自然素材を使用した設計で建築文化に貢献したことで、日本政府から紫綬褒章、フランス政府から芸術文化勲章を授与された建築家としても有名だ。
モノのリアルティを感じられる陰影がある建築を追求し、木のルーバーを多用したデザインが特徴。近年では、2019年にロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の分館として、スコットランド初のデザイン美術館であるV&Aダンディ(V&A Dundee)、2020年に東京オリンピックメインスタジアム国立競技場の建築が欧米とアジアで大きく話題に。日本国内では2020年に東京都の山手線新駅、高輪ゲートウェイ駅も高い注目となりました。
北海道でも多数の建築を行ってきた隈研吾氏だが、北海道でレジデンスを手掛けたのは初めての機会だという。「プロスタイル札幌 宮の森」の設計の背景や、札幌市中央区宮の森の地で味わえる「上質な暮らし」について話を聞いた。

宮の森の丘だから生まれた
ここだけの建築

ーー「プロスタイル札幌宮の森」のどんなことに魅力を感じてプロジェクトに参加されたのでしょうか?

僕らは、建築物を建てる、となるとまず敷地をしっかりリサーチします。敷地の状態や仕様はもちろん、そこにある文化や人の営みは大事な情報です。今回僕自身で現地に足を運び、調査し、非常に歴史もある魅力的な敷地だと感じました。街が一望でき、自然を感じられるというのは日本ではなかなか得難い条件だと思い、敷地のもつポテンシャルに魅力を感じたのです。当初は、何かが突出するようなものではなく、丘を生かした建築を構想していました。それを実際に成立させるためにはかなりの時間をかけてたプロジェクトでしたね。(設計期間は3年半、施工期間は3年3ヶ月に及んだ。)恐らく今後もこのような立地に木がある建築をしたいという方々は増えてくると思います。建築物と緑や自然との調和、木を使った建築は世界的な流れになってきていて、その流れは日本の方でも想像できる方も多くいらっしゃるはずです。近い将来にこの建築を行えた価値がさらに出てくることになります。また、事業主のProstyle社とLogSuite社は、天然無垢材を必ず採用することにこだわった会社です。これに共鳴した部分が大きくありますね。あの自然も近く贅沢な環境を持つ札幌一の住宅地宮の森で、木を使った建築なんて、絶対に他にないものができるな、と思いプロジェクトに臨みました。

places 2022年9月撮影

我が“家”の
実感を得られる集合邸宅

ーーパースを拝見し、集合邸宅然としたものではなく、
ひとつ一つの住まいが積み上がっている印象を受けま した。

一般的なマンションは“大きな箱”のようで、住まい手は建築そのものに自分の住居であることを感じにくいと思います。しかしここでは、「私の家はここにある」と感じられるのではないでしょうか。小さな家の集積によって一つの大きな家を構成するという、個々人を尺度として捉えたヒューマンスケールとしての「単位」が見えることを重視しました。また、木の質感から得られるあたたかみによっても、“home”としての実感を得られるかと思います。

上質な、よりよく
生きるための暮らし

ーー「いい暮らし」とはどういうことと捉えています か?

新型コロナウイルスの影響で家で過ごす時間が増え、尚更感じますが、家にいながら自然と一体にいる感覚をもてることは大事だと思います(※)。
万が一ロックダウンされて家にずっと篭ることになっても、その感覚と安らぎがあれば生きていけるかもしれないと。日本には、家の中で盆栽を並べたり、庭に四季を感じる草木を植える文化がありますね。そうした営みがあるだけで、家の中でも癒されることは十分にあると思います。五感で得られる自然の質感といったものが、今後何かもっと重要になってくるのではないでしょうか。
「プロスタイル札幌 宮の森」ではコンクリート工事でも木をふんだんに使用しています。コンクリートを流す枠に無垢の丸太を使うことは大変稀で、技術としても非常に難しいものです。木を自然な形で使用できるこの丸太の残存型枠は、一般的な都会型のマンションではできない、今回ならではの挑戦でした。宮の森の自然に囲まれ、住戸のなかでも視界に常に木があるような、贅沢な木の住まいをお愉しみいただければと思います。

札幌 宮の森 EPISODE.1

隈研吾が「集合住宅」を手掛けた理由

札幌 宮の森 EPISODE.2

なぜマンションに木材を使ったのか?

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